税理士試験法人税法受験生のブログ

法人税法、質疑応答事例等のまとめをしてます。

法人税法 質疑応答事例【租税条約に定める限度税率を超える外国法人税の額の取扱い】

【結論】日本と租税条約を締結しているA国の法人から受けた使用料に係る源泉徴収(税率25%)は一旦、A国に納付し、一定の手続きを経て日本との条約により締結された限度税率10%を超えた部分がA国により還付される方式であり、当期においてまだ還付がされていない場合。


【回答】

この場合の外国税額控除の適用については、源泉徴収された外国法人税の額のうち限度税率超過部分の金額については、外国税額控除の対象とならず、使用料の支払日の属する事業年度の損金の額に算入されます。


なお、A国との限度税率(10%)部分は通常通りの外国税額控除の適用がされ、限度税率超過部分について、その全部又は一部が還付された場合には、その還付されることとなった日の属する事業年度の益金の額に算入されます。





【照会要旨】

当社は、我が国が租税条約を締結しているA国の法人から使用料の支払を受けました。

 A国の国内法では使用料の支払に係る源泉徴収税率は25%とされていますが、我が国とA国との租税条約では使用料の支払に係る限度税率は10%とされています。

 ところが、A国では、一旦、自国の国内法の税率により源泉徴収をしておいて、その後一定の手続を経た上で限度税率超過部分を還付する方式を採っているため、当社がA国の法人から使用料の支払を受けた際には25%の税率により源泉徴収されました。そこで、当社は、A国の税務当局に対して一定の手続を行うことにより、限度税率超過部分の還付を請求していますが、現時点ではまだ還付されておりません。

 このような場合に、租税条約に定める限度税率10%を超えて源泉徴収された外国法人税の額は、どのように取り扱われるのでしょうか。

 なお、当社は、当期において納付することとなる外国法人税の額について外国税額控除の適用を受けることを照会の前提とします。


【回答要旨】

源泉徴収された外国法人税の額のうち限度税率超過部分の金額については、外国税額控除の対象とならず、使用料の支払日の属する事業年度の損金の額に算入されます。


(理由)


我が国が租税条約を締結している条約相手国等において課される外国法人税の額のうち、当該租税条約の規定により当該条約相手国等において課することができることとされる額を超える部分(限度税率超過部分)に相当する金額又は免除することとされる額に相当する金額は、法人税法第69条第1項に規定する控除対象外国法人税の額には含まれません(法法69まる1、法令142の2まる8五)。

 そのため、限度税率超過部分は、法人税法第41条(法人税額から控除する外国税額の損金不算入)の規定により損金不算入とされることはなく、使用料の支払日の属する事業年度の損金の額に算入されます(法法22まる3二)。

 なお、限度税率超過部分について、その全部又は一部が還付された場合には、その還付されることとなった日の属する事業年度の益金の額に算入されます。


国税庁ホームページ質疑応答事例法人税


https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/23/09.htm

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