税理士試験法人税法受験生のブログ

法人税法、質疑応答事例等のまとめをしてます。

法人税法 質疑応答事例【受取配当】【配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等 】

【結論】配当権利落後配当決議日までの間に売却した株式について、売主が受領した配当金及び課された所得税については、、配当基準日において株主であるため、当該株式の売主は受取配当金の益金不算入、所得税額控除のいずれについても適用を受けることができる。


また一般に、配当権利落銘柄の譲受け人は配当金を受け取る事が出来ないという前提で株価が決まっている。




【参考】

(理由)

  配当権利落後における株式の売却は、配当請求権の留保を条件としたものであり、また、この場合の売主は、配当基準日においては株主であるから、当該配当金の受領は、正当な株主としての地位に基づくものというべきものとなります。

また、当該株式の売却の日(約定日)が配当基準日以前であるか同日後であるかによって取扱いが異なるものではありません。



【照会要旨】

 配当権利落後配当決議日までの間に売却した株式について、売主が受領した配当金及びこれにつき課された所得税については、当該株式の売主において受取配当金の益金不算入及び所得税額控除の適用を受けられると解して差し支えありませんか。

 この場合、当該株式の売却の日(約定日)がその支払に係る基準日(配当基準日)以前であるものと、同日後であるものとで取扱いが異なりますか。


配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等の設例図



【回答要旨】

 照会の株式の売却については、売主において受取配当金の益金不算入、所得税額控除のいずれについても適用を受けることができます。

 また、当該株式の売却の日(約定日)が配当基準日以前であるか同日後であるかによって取扱いが異なるものではありません。


(理由)

  配当権利落後における株式の売却は、配当請求権の留保を条件としたものであり、また、この場合の売主は、配当基準日においては株主であるから、当該配当金の受領は、正当な株主としての地位に基づくものというべきものとなります。



国税庁ホームページ質疑応答事例法人税

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/25/01.htm

法人税法 質疑応答事例【費用】【太陽光発電設備の系統連系に当たり支出するアクセス検討料について】

【結論】太陽光発電設備により発電した電力を電力会社に供給(売電)するためには、電力会社の電気供給設備に太陽光発電設備を接続(系統連系)する必要があり、電力会社の側において他の顧客等に影響がないか、供給設備を新たに設置又は変更等をする必要がないか、技術的な検討(以下「アクセス検討」といいます)の為に支払ったアクセス検討料について。


支払ったアクセス検討料は、電力会社によるアクセス検討という役務提供の対価であると考えられますので、、太陽光発電設備の取得価額に含まれず、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時に損金の額に算入することになる。



【参考】

(理由)


 アクセス検討料は、発電設備の接続(系統連系)に先立ち、電力会社が行うアクセス検討に要する費用を契約に基づき発電事業者側が負担するというものであり、アクセス検討の結果、系統連系工事を行うか否かにかかわらず、支出することとなる費用です。したがって、アクセス検討料は、電力会社によるアクセス検討という役務提供の対価であると考えられますので、その役務の提供を受けた時、すなわち、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時に損金の額に算入することになります。





【照会要旨】

 甲社は、太陽光発電設備を取得し、発電した電力を電力会社へ売電する事業を行う予定です。

 太陽光発電設備により発電した電力を電力会社に供給するためには、電力会社の電気供給設備に太陽光発電設備を接続(系統連系)する必要がありますが、その接続に当たり、電力会社の側において他の顧客等に影響がないか、技術的な検討(以下「アクセス検討」といいます。)を行うことになりました。

 アクセス検討の結果、電力会社の電力供給設備を新たに設置又は変更する必要がある場合には、必要となる工事の概要や工期、工事費負担金(概算額)の回答を電力会社から受けることとなります。

 このアクセス検討のために電力会社へ支払った費用(以下「アクセス検討料」といいます。)については、太陽光発電設備の取得価額に含まれず、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時の一時の損金になりますか。


【回答要旨】

 照会意見のとおり、アクセス検討の結果の回答を受けた時の損金の額に算入することとなります。


(理由)


 アクセス検討料は、発電設備の接続(系統連系)に先立ち、電力会社が行うアクセス検討に要する費用を契約に基づき発電事業者側が負担するというものであり、アクセス検討の結果、系統連系工事を行うか否かにかかわらず、支出することとなる費用です。したがって、アクセス検討料は、電力会社によるアクセス検討という役務提供の対価であると考えられますので、その役務の提供を受けた時、すなわち、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時に損金の額に算入することになります。


(参考)


 上記の系統連系工事に係る工事費負担金の税務上の取扱いについては、次の質疑応答事例を参照してください。


太陽光発電設備の連系工事負担金の取扱いについて


【照会要旨】

 甲社は、太陽光発電設備を取得し、発電した電力を電力会社へ売電する事業を行う予定です。

 太陽光発電設備により発電した電力を電力会社に供給するためには、電力会社の電気供給設備に太陽光発電設備を接続(系統連系)する必要があり、この系統連系に伴い、電力会社の電気供給設備を新たに設置又は変更する場合には、その工事費用については、電力会社との間の契約に基づき甲社が負担することとしています。

 この場合、甲社が負担する工事費用(以下「連系工事負担金」といいます。)は、繰延資産に該当しますか。また、繰延資産に該当するのであれば、「電気ガス供給施設利用権」(耐用年数省令別表三)の耐用年数に準じて15年間で償却して差し支えありませんか。


【回答要旨】

 当該連系工事負担金は、繰延資産に該当します。また、その償却期間は15年として差し支えありません。


(理由)


1  連系工事負担金について

 甲社は、連系工事負担金を支出することで電力会社の送配電網を利用して、発電した電力を売電できるようになるため、連系工事負担金は、甲社にとって自己が便益を受けるために支出する費用でその支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶものとして繰延資産に該当します(法2二十四、法令141六ホ)。

 なお、連系工事負担金は、電力会社の所有物となる電気供給設備の工事費用を甲社が負担するものであり、甲社の所有する太陽光発電設備に対する支出ではないため、これを固定資産の取得価額に含めることはできません。


2  償却期間について

 連系工事負担金(繰延資産)の償却期間については、系統連系工事によって設置される電気供給設備の耐用年数や電力会社との契約期間等を基に合理的に見積もることとなります(法基通8-2-1)。

 ところで、事業者が、電力会社から電気の供給を受けるため、電力会社における電気供給施設を設けるための費用を当該事業者が負担することがあり、この場合の負担金は、無形減価償却資産である「電気ガス供給施設利用権」に該当し、その法定耐用年数は当該施設の耐用年数等も踏まえ「15年」とされています(法令13八タ、耐用年数省令別表第三)。

 連系工事負担金は、電力会社の電気供給設備についてその工事費を負担するという点や系統連系工事により設置される電気供給設備と上記負担金により設置される施設の内容とが類似しており、連系工事負担金の償却期間について、「電気ガス供給施設利用権」の耐用年数に準じて「15年」とすることは合理的と考えられます。

 なお、連系工事負担金の償却期間について、例えば、電力会社との契約における受給期間とするなど、発電事業者が償却期間を合理的に見積もっている場合は、当該期間によっても差し支えありません。


(注) 受給期間は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第3条第2項に規定する調達期間(固定価格で買い取る期間)を限度として電力会社と発電事業者との契約で設定される期間であり、その期間内は売電を行うことが合意されています。

 なお、例えば、受給期間を1年とし、自動更新というような場合は受給期間の終期が定められていないことから、調達期間(10KW以上20年、その他10年)を受給期間とみることとなります。

 また、繰延資産として支出する金額が20万円未満である場合には、その支出の日の属する事業年度において損金経理をした金額は損金の額に算入することとされています(法令134)。したがって、連系工事負担金として支出する金額が20万円未満である場合には、その全額を支出の日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。


国税庁ホームページ質疑応答事例法人税

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/02/04.htm

法人税法 質疑応答事例【費用】【短期前払費用の取扱いについて 】

【結論】3月決算法人が次の事例1から事例4のような支払を継続的に、その全額をその支払った日の属する事業年度において短期の前払費用の通達により損金の額に算入できる。

なお、次の事例1から5までの賃貸借取引は、法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引には該当しません。


事例1:期間40年の土地賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の地代月額1,000,000円を支払う。


事例2:期間20年の土地賃借に係る賃料について、毎年、地代年額(4月から翌年3月)241,620円を3月末に前払により支払う。


事例3:期間2年(延長可能)のオフィスビルフロアの賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の家賃月額611,417円を支払う。


事例4:期間4年のシステム装置のリース料について、12ケ月分(4月から翌年3月)379,425円を3月下旬に支払う。


【事例5については短期の前払費用の適用無し。】

事例5:期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)1,000,000円を2月に前払により支払う。

事例5は、支払った日の2月から役務の提供の終了の日(4月から翌年3月)までの1年を超えるため短期前払費用に該当しない。


【参考】

(1) 本通達の趣旨について

 本通達は、1年以内の短期前払費用について、収益との厳密な期間対応による繰延経理をすることなく、その支払時点で損金算入を認めるというものであり、企業会計上の重要性の原則に基づく経理処理を税務上も認めるというものです。


(2) 照会に対する考え方について

 事例1から事例4までについては、基本的には、これを認めることが相当と考えられますが、一方では、利益が出たから今期だけまとめて1年分支払うというような利益操作のための支出や収益との対応期間のズレを放置すると課税上の弊害が生ずると認められるものについては、これを排除していく必要があります。


このため、継続的な支払を前提条件とすることや収入との直接的な見合関係にある費用については本通達の適用対象外とするということは、従来と同様、当然に本通達の適用に当たって必要とされるのですが、これに加え、役務の受入れの開始前にその対価の支払が行われ、その支払時から1年を超える期間を対価支払の対象期間とするようなものは、何らかの歯止めを置いた上で本通達の適用を認めることが相当と考えられます。



【照会要旨】

 当事者間の契約により、年1回3月決算の法人が次のような支払を継続的に行うこととしているものについては、法人税基本通達2-2-14((短期の前払費用))を適用し、その支払額の全額をその支払った日の属する事業年度において損金の額に算入して差し支えありませんか。

 なお、次の事例1から5までの賃貸借取引は、法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引には該当しません。


事例1:期間40年の土地賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の地代月額1,000,000円を支払う。


事例2:期間20年の土地賃借に係る賃料について、毎年、地代年額(4月から翌年3月)241,620円を3月末に前払により支払う。


事例3:期間2年(延長可能)のオフィスビルフロアの賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の家賃月額611,417円を支払う。


事例4:期間4年のシステム装置のリース料について、12ケ月分(4月から翌年3月)379,425円を3月下旬に支払う。


事例5:期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)1,000,000円を2月に前払により支払う。


【回答要旨】

・ 事例1から事例4までについては、照会意見のとおりで差し支えありません。


・ 事例5については、法人税基本通達2-2-14の適用が認められません。


(理由)


(1) 本通達の趣旨について

 本通達は、1年以内の短期前払費用について、収益との厳密な期間対応による繰延経理をすることなく、その支払時点で損金算入を認めるというものであり、企業会計上の重要性の原則に基づく経理処理を税務上も認めるというものです。


(2) 照会に対する考え方について

 事例1から事例4までについては、基本的には、これを認めることが相当と考えられますが、一方では、利益が出たから今期だけまとめて1年分支払うというような利益操作のための支出や収益との対応期間のズレを放置すると課税上の弊害が生ずると認められるものについては、これを排除していく必要があります。

 このため、継続的な支払を前提条件とすることや収入との直接的な見合関係にある費用については本通達の適用対象外とするということは、従来と同様、当然に本通達の適用に当たって必要とされるのですが、これに加え、役務の受入れの開始前にその対価の支払が行われ、その支払時から1年を超える期間を対価支払の対象期間とするようなものは、何らかの歯止めを置いた上で本通達の適用を認めることが相当と考えられます。


国税庁ホームページ質疑応答事例法人税

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/02/03.htm